雑記:ジャズピアノを習い始めました。

ピアノ始めて30年になるんですが30周年イヤーということでピアノを習い始めました。
ジャズピアノ。
いや、ジャズって聴いたことはあるんですけどやったことが全然なくて大学の頃もジャズサークルに入ってましたがずっと見学でしたし…というのは冗談です。
ずっと我流でやっていましたがいざ習い始めると、いいもんですね。思考がブレなくなるというか、「ああ、十人十色、千差万別なんだな」ってスッキリします。
我流でやってると、教本によって書いてあることが結構違ったりして何が正しいんだかわかんない!みたいになることがあるけど、そういうのがなくなりました。
例えば「そこ普通バークリーだとLocって言われるけどLoc#2ndの方がアヴォイドないからいいと思うんだよね。」「え、それってつまりLocナチュラル9thのことですか。」みたいな。
最初からそんな会話で君はいったいなぜ来るのか状態ですが…。
習うというかひたすら質問責めになっています。先生が困っている。着いたらまず質問受付コーナーが始まる。
といってもやりたいことはあらためてダイアトニックで、アウトをなるべくすることなくメロディアスなソロが弾きたい、ということなので、ダイアトニックをみっちりやっていくことになりそうです。
これをじっくりやっていって半年後くらいには血肉にしていたいなと。
なんかみんなで集まって、ここはどんなスケールがいいとかなんかそういうのわいわいやりたい。
Franck Avitabile『Right Time』を聴く

もう何度聴いただろうか。
自分自身の道標でもあり輝かしい憧れでもある。
CDがすり切れ、ケースもボロボロになり今このCDを3枚所有している。
そんな特別な作品なので自身の誕生日ということもあり、普段のレビューと趣が少し異なってくるが、書いていきたい。
Franck Avitabile(フランク・アヴィタビレ)のデビュー2作目『Right Time』を今回はとりあげる。制作は2000年。ちょうどミレニアムの時の作品だ。
私自身のアヴィタビレとの出会いはデビュー盤の『In Tradition』だが、そのころは「いいピアニストがいるんだな、しかもMichel Petrucciani(ミシェル・ペトルチアーニ)がプロデュースで。」といったもので、なんとなく聴いて気に入ってはいたものの、のめりこむほどではなかった。
それがペトルチアーニが1999年に亡くなり、大きな存在を失ったなか制作されたこの『Right Time』。想像していたのとは裏腹にアヴィタビレの妻に捧げる「Miss Laurence」でアルバムは始まる。これがまるで光煌めく朝のような響きなのだ。
希望に満ちた光。そして愛おしい。
これはもうペトルチアーニ・プロデュースの作品じゃない、アヴィタビレが一人立ちをした出発の船なのだ。そう感じさせる。そして続く「In Your Own Sweet Way」。そのタイトルの通り、その道は進んでいく。
「Facin' Up」。そう、これだ。この音楽だ。僕が求めていたもの。失った悲しみ。抱える切なさ。でもそれは希望に変わる。憂いを帯びたイントロから、メロディーが始まる瞬間の希望への煌めき。前を向いて生きていくんだ。やさしく、美しく。
アドリブパートでただただひたすらに美しいメロディが紡がれていく、Louis Petrucciani(ルイ・ペトルチアーニ)のベースと共に。情熱が高ぶっていく、どこまでもどこまでも、Roberto Gatto(ロベルト・ガット)のドラムと共に。切なく胸を打つ悲しみを、変えよう、明日の光に。そのエネルギーに。理性などどこかへいってしまってもいい、その情景に生きるんだ。かけがえのない景色に、愛に。
どこか残した切なさを胸に秘めて、それはまた次の美しい日々につながっていくのだ。
僕はこの曲が、ペトルチアーニが亡くなって2日後に生まれでてきたこの曲が大好きだ。ずっと、ずっと、このピアノを追いかけていこう。そう心に決めた。「Facin' Up」。
「Right Time」それはゆるぎない光のエネルギーだ。突き進め突き進め、その道を。曲がりくねった道もその先につながっているさ、行き着いたら、また進め。どこまでもどこまでも。光が躍動する。Niels-Henning Orsted-Pedersen(ニールス・ヘニング・オルステッド・ペデルセン)の大地を踏みならすベース。さあ、助走を始めるんだ。いつでもジャンプできる。さあ、飛べ。「Right Time」。
静かに、清廉に、愛おしいエヴァン。「Song For Evan」そうそれは彼のための曲。
失われた命があるなら、また新しい命が芽吹く。その頼りない小さな生命を慈しむのだ。静かに、そして清らかに。ここにもまた粒子のような小さな光が降り注ぐ。つらなっていく。
愛するエヴァンよ、これは君のための曲だ。
Dizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)による「Con Alma」これもアヴィタビレの幻想的な音、トーンに染まっていく。
愛する人と人生を共にする、そんな前奏曲からはじまる「Cherokee」。およそ通常演奏されるテンポではなくひどくゆっくりとした、確かに1歩ずつ歩んでいく、前半はそういった流れだ。ベースが汽笛をならす。共に歩もうと。足取りが少しずつ速くなっていく。駆け出そう、二人の新しい日々へ。まばゆい未来へ。愛の囁きを繰り返して、二人はより深く深く結ばれていく。さあ鐘が鳴る!高々と響く!
これはたったいま生まれた結婚のための行進曲だ。未知なるドアを開けよう。
「Little Valse」それは小さなワルツ。内気な女の子の夢想。ゆらめきの中で彼女は何を見つけるのだろう。それは美しい世界かい?それてもうっすらと感じる不安かい?
夢想のワルツ。
最後は、星のブルース。「Blues From The Stars」。陽気に、あの人のように陽気に。
楽しく笑い合えばいい、あの時のように。まだ続いていくんだよ、道は。終わらないさ、まだまだね。
切なさや悲しみを超えて、なんと光ある作品だろう。
今日はきっと全部うまくいく。絶対ね。
だから、生きよう。共に。
愛と感謝を込めて。
Franck Avitabile『Right Time』
1. Miss Laurence
2. In your own sweet way
3. Facin' Up
4. Right Time !
5. Song for Évan
6. Con Alma
7. Cherokee
8. Little Valse
9. Blues from the Stars
Franck Avitabileのサイトはこちら。
他にもFranck Avitabileのディスクレビューを書いています。
どの作品も素晴らしいので、ぜひ読んでみてください。
Franck Avitabile『Short Stories』を聴く

だんだんと佳境に突入してきたFranck Avitabile(フランク・アヴィタビレ)のディスクレビュー。
今回は2006年にリリースされた『Sort Stories』にスポットを当てたいと思います。
この作品は前作『Just Play』と同様にピアノソロという形態がとられています。
今までのアヴィタビレの作品リリースの流れからすると少し不思議な立ち位置で、『Just Play』の壮大なピアノソロからのスピンオフ作品とでも言えばいいでしょうか。そんな印象を持ちます。
タイトルの通り、短い曲が集められており、長いものでも「Medley」の4分30秒と、4分を超える曲は3曲しかなく、短いものでは「Rolling」の1分27秒と、いわゆる小品集といった様相です。
『Just Play』の記事に書いたような「美」の追求はこの作品でも踏襲されていて、アヴィタビレ自身もそれに言及しています。
I’m trying to get a sound as clear and beautiful as possible.
自分が培ってきた、影響を受けてきたBud Powell(バド・パウエル)、Keith Jarrett(キース・ジャレット)、Chick Corea(チック・コリア)、そしてMichel Petrucciani(ミシェル・ペトルチアーニ)を土台にクラシックのDebussy(ドビュッシー)、Ravel(ラヴェル)、Brahms(ブラームス)、Chopin(ショパン)などを織り交ぜたような、ジャンルレスの美しい音楽。
短いながらも味わい深い演奏が込められており、アヴィタビレのピアニズムを素直に感じることができます。
それと同時に、『Just Play』と比べると、かしこまらずに気軽に(それこそBGM的に)聴くことのできる良盤です。
個人的にはちゃっかり「Medley」で「Rêverie」「Facin' Up」「Miss Laurence」「August In Paris」と大好きな曲をやってくれているのが嬉しいです。
静かになりたい時、静かにその時間を慈しめるような素敵な小品集。オススメです。
Franck Avitabile『Short Stories』
1. Arabesque
2. Childhood Memory
3. Reverso
4. Twisted Nerve
5. Cat Tale
6. The Third Eye
7. French Song
8. Medley(Rêverie-Facin' Up-Miss Laurence-August In Paris)
9. Little Monkey
10. Rhapsody
11. Inside Out
12. Rolling
13. There Is No Greater Love
14. Musings
15. Shortly After Midnight
16. The Twilight Hours
17. On Walking
18. Over The Rainbow
Franck Avitabileのサイトはこちら。
他にもFranck Avitabileのディスクレビューを書いています。
どの作品も素晴らしいので、ぜひ読んでみてください。
サブスクリプションの次、音楽の未来。

Apple Musicなどサブスクリプションが大きなうねりとなって、私の生活に根付こうとしている。
音楽はいよいよ無料に近い感覚となってすぐそこにある。
まず、これから音楽で生きて行こうとする人にとって、どんどん音源は無料で配るものになっていくんだろう。
音楽を作る側からすると、ついこの前まで配信よりはCDの方が利益が出るから出来ればCDで売りたいと思っていたのに、今はサブスクリプションよりは配信の方が利益が出るから…みたいな思考になっている。
かたや制作費はもう底打ちで、機材の値段も今より安く高品質なものが出てくるとは考えにくい。時間的なコストの削減も、もう無理だろう。
間違いなく今までの音楽環境において最もスモールに一定水準の音楽を作れる環境は揃っている。
新人にとって音源から得る利益はもはや無いに等しい。
間に挟む余談として、テクノロジーの進化で、自動作曲は今までもあったが、自動ミックス、自動マスタリングといったテクノロジーが発達していくことも考えられるし、いま開発研究が進められている人工知能DJのように、人が音楽を作る必要すらなくなるかもしれない。
話を戻すと、音楽にお金を払う側の価値観も、例えばCDを買うという行為はドネイションするという感覚が強くなるのだと思う。
そもそもレコードと同じように、あるいはフロッピーディスクと同じように、CDというメディアが少なくなる、もしくはなくなる可能性だってある。
CDがここまで長く生きていられるのは音楽メディアでもあり、データメディアでもあるからではないだろうか。
CDアルバムからジャケットや装飾を取り除き、単なるCDメディアと見たときに、やっぱりデータの方がラクだよなと、部屋に積もったよくわからないCD-Rを整理している時に思った。
以前、一時スマホではなくCDウォークマンで音楽を聴くことに戻ったことがあったけれど、それはやはりその方が音がいいからで、つまるところそれは嗜好品だということだ。
そういう楽しみ方をする人は少数。
無料の感覚というのはやっかいで、LINE MUSICのユーザー層である若い人たちにとって、1000円程度ですら高いという声があがっている。
金とるのか、という声。
これは次代を担うという点で、随分と不安材料になってしまう。
それ以前にYouTubeでそれは当たり前になってしまったけれど。
私個人としては、おそらくApple Musicを選択するだろう。
恐れずに言うなら、まるで天国のようだ。月に1000円程度払うだけで、これだけの音楽を聴くことができる。
この類の幸福感は未知のもので、音楽のヘビーユーザーとしては本当に嬉しい。
レコード、CD、配信、サブスクリプションと移り変わる期間はどんどん短くなり、また安くなっている。
この先同じように、短い期間で新たな音楽の購入形態が現れるのだろうか。
まったく想像のつかない世界が、そう遠くない日に待っている。
ライブがやっぱり一番、それはそうなのだが、それだけではない音楽のあり方を考えていかなければ。
ライブすら、いつかロボットが演奏するようになるだろう。
Franck Avitabile『Just Play』を聴く

Franck Avitabile(フランク・アビタビレ)の作品について、今回はピアノソロの作品『Just play』を取り上げます。録音は2004年、33歳の時の作品です。発売は2005年。
いまこれを書いている私自身が33歳なので、33歳でこれを録音したのか、と複雑な感慨があります。笑
『In Tradition』でのMichel Petrucciani(ミシェル・ペトルチアーニ)プロデュースによるデビュー(1998年)から、ペトルチアーニ死後に制作された『Right Time』、同じ世代のミュージシャンと作り上げた『Bemsha Swing』、今まで培ったもの、彼の持つ伝統がすべてピアノソロという形で凝縮された作品。
とにかく、ただただ、美しい。
アビタビレのピアニズムを考える時にまず思い浮かぶのはこれ以上ない美的感覚だと思います。それはジャズという枠組みを超えて、ひとつの音楽、芸術としての「美」。
良いか悪いか、というジャンルの話ではなくて、この音楽をジャズとして聴いた時には違和感すら覚えますし、クラシックのピアノ作品集を聴くような心構えにもなります。
そういった概念を超えて存在する、ただ音楽としての「美」。
そこに到達したんだな、というピアノが奏でる結晶。
ここにきて、ペトルチアーニの跡を継いだような立ち位置だったアヴィタビレが、ひとりの芸術家、ピアニストとして唯一無二の存在になります。ジャズという地平を美に昇華していく。
たぶんこれを初めて聴けば「ペトルチアーニに似てる」と思う人はいないんじゃないでしょうか。
美しい変則的なアルペジオから始まる「Resonace」、ルイーズへの手紙というタイトルの「Lettre à Loïse」、普通と違うキーで始め、途中で美しく転調しピアノが躍動する「My Romance」。
そして『In Tradition』でも演奏されている「August In Paris」はこの結晶のような作品の中の究極と言っていいでしょう。11分を超えるこの作品における大作であり、圧巻の演奏です。「美」の持つカタルシスというのを感じてなりません。
その後も「Memories」といった叙情感溢れる曲。軽快に演奏されるスタンダード「Smile」、凄まじい左手の指さばきで展開される「Moody Piano」では思わず唸り声が聴こえます。「Real Addict」ではアヴィタビレ独特の調性感、などなど、「美」という空間を自由に泳ぎ回るアヴィタビレのピアニズムを凝縮した1枚となっています。
まぎれもない「名盤」だと、私はそう思います。
ちなみに、この「Just Play」の話には続きがあって

1. Resonace
2. Lettre à Loïse
3. My Romance
4. August in Paris
5. Memories
6. Magic Mirror
7. Smile
8. Moody Piano
9. Morning Star
10. Dreamland
11. Isopod
12. Real Addict
13. Corps et Âmes
14. Nature Boy
Franck Avitabileのサイトはこちら。
他にもFranck Avitabileのディスクレビューを書いています。
どの作品も素晴らしいので、ぜひ読んでみてください。
wacciから届いた贈り物
Franck Avitabile 『Lumières』を聴く

Franck Avitabile(フランク・アヴィタビレ)から届いた内の1枚、『Lumières』。
これは『In Tradition』でのデビュー前、1997年の作品。
Michel Petrucciani(ミシェル・ペトルチアーニ)と密接に関わりのあるアヴィタビレですが、この時既にベースで兄弟のLouis Petrucciani(ルイ・ペトルチアーニ)とレコーディングを共にしています。ドラムはThomas Grimmonprez(トーマス・グリモンプレ)。
デビュー前の作品であるため、Franck Avitabile作品の中でも入手がとりわけ難しいと思われていた、というか難しいと思っていた作品ですが、現在アヴィタビレ本人のサイトから購入できるようになっています。
念願だったこの『Lumières』、若かりしアヴィタビレを存分に堪能することができます。
なにより貴重なのが、その後の作品でも1度もとりあげたことのないペトルチアーニの曲を演奏していること。曲目は「Training」。
なぜ取り上げていないかは、きっとペト曲はペトがやはり一番で、曲の表現もアドリブも含め、すべてがペトルチアーニのカラーで出来上がっていて、それ以上のものはない、というのがあるからかもしれません。
実際この「Training」についても、単純に言ってしまえばペトルチアーニの方が圧倒的に良いです。ただ、アヴィタビレがペトの曲を演奏しているというのは特別で、初めてアヴィタビレを聴く人が「ペトに似てる」ということが多い中、ピアニストとしてのとても良い比較材料になるんじゃないかなと思います。
私自身は、アヴィタビレとペトは共通する部分がありながらも、全く毛色の違うピアニストだと思っているので。
そして嬉しいのがその後の作品でも取り上げられている「La Valse de Laurence」「Trois Gros」「Kenny」などのオリジナル曲の原型を観ることができること。
「La Valse de Laurence」とかキーが違ったんですね。
他にも『In Tradition』でフューチャーされるBud Powell(バド・パウエル)の作品、特に「Tempus Fugit」がここで採用されていること。『Lumières』から『In Tradition』へとつながる音の流れ、アヴィタビレのピアニストとしての経緯を感じられます。
他にもその後の「August In Paris」などに見られるような少しフリー感のあるバラード「Greenwich Village」など、まだオリジナルの原石であるアヴィタビレを堪能できる1枚です。彼の根本に流れるものは変わらずずっとあるんだなと思える作品。
こちらはアヴィタビレ本人のサイトで購入することができます。
英語かフランス語のみとなりますのでご注意ください。
Franck Avitabile『Lumières』
1. So Sorry Please
2. La Valse de Laurence
3. Greenwich Village
4. Training
5. Round 'Midnight
6. Trois Gros
7. Carnival
8. Le Joueur de Piano
9. Eloi
10. Lumières
11. Kenny
12. Solalerie
13. Morlok
14. Tempus Fugit
15. Les 13 Mercenaires
他にもFranck Avitabileについてディスクレビューを書いています。
よろしければ。





