MUREADER’s blog

DAW、プラグイン、音楽機材などDTMの話が多めです。

Franck Avitabile『Bemsha Swing』を聴く

f:id:hipnao4ri:20150904022920j:image

さて、これまでFranck Avitabile(フランク・アヴィタビレ)の作品を追いかけてレビューして参りましたが、ひとまずこれで最後になります。一応まだDVD作品がひとつ残っているのでそちらも紹介する予定です。

 

今回取り上げるのは『Bemsha Swing』、2002年の作品です。

前々作の『In Tradition』前作の『Right Time』まではベテランメンバーがアヴィタビレを支えていましたが、今回は待望のFranck Avitabile Trioとなっています。

メンバーはRémi Vignolo(レミ・ビニョロ)がベース、(Dré Pallemærts)ドレ・パレマーがドラムとなっています。

 

同世代のメンバーだからか、全体としてサウンドがフレッシュです。

前作までのまるで巨匠のような深い色から、ビビッドな若々しいカラーに変わった印象です。

 

アルバムは前作に収録の「Facin' Up」のイントロを発展させ楽曲にした「Rêverie」から始まります。また瑞々しい煌びやかな朝がやってきた、そんな気持ちにさせてくれる素敵な楽曲。

 

日本盤では表題曲になっている「Body And Soul」。アヴィタビレの独特のハーモニー感が響きます。曲がキーで言うとマイナーな曲なんですが、どこか華があるというか、キラっとした響きをもった仕上がり。アウトロはサティのような響きがありますね。

 

「'Round The Steps」は挑戦曲のようなスリリングさが楽しめる1曲。曲想がどんどん展開されていき、短い一つの組曲のようでもあります。このトリオでできるチャレンジのひとつなのかなと思います。「August In Paris」のようなフリー感のある曲がひとつ先に進んだ、という印象を持ちます。

 

そして「July In Paris」。先述のようにアヴィタビレには「August In Paris」という名曲があります。それの7月、Parisを彩る音楽です。美しくどこか切ない。

 

その後スタンダードのカバーが続きます。「All Blues」 「Bye Bye Blackbird」。

「All Blues」は完全にこのトリオのバージョンと化していて、斬新な表現を見せてくれます。コンテンポラリー・ジャズの装い。

「Bye Bye Blackbird」はこれもアヴィタビレの真骨頂。美しくリハーモナイズされた前奏曲。こんなにも美しい曲になるのかと感嘆の声がでます。曲の構成は7拍子。楽しく軽快なムード。

 

表題曲「Bemsha Swing」はアヴィタビレが影響を受けたThelonious Monkセロニアス・モンク)の楽曲アヴィタビレが影響を受けたジャズピアニストはキース・ジャレットチック・コリアビル・エヴァンスバド・パウエルミシェル・ペトルチアーニ、そしてこのモンク。1作目はバドをテーマとした作品でしたが、今後他のアーティスト(例えばエヴァンスやキース)の楽曲をテーマにした作品が聴けるのでしょうか。

 

日本盤のみのボーナストラックとして入っている「Facin' Up」。メドレーではなく単体で収録されているのはこれだけなので、嬉しい。素晴らしいです。

 

2009年の『Paris Sketches』以降、新譜のリリースがないアヴィタビレ。

ファンとしては首を長くして待っています。

来日もしたことがないアヴィタビレ。いつかフランスで会いたいな。

 

Bemsha Swing

Bemsha Swing

  • Franck Avitabile
  • ジャズ
  • ¥1500

 

Franck Avitabile - Bemsha Swing

Franck Avitabile - Bemsha Swing

 
ボディ&ソウル

ボディ&ソウル

  • アーティスト: フランク・アヴィタビレ
  • 出版社/メーカー: ビデオアーツ・ミュージック
  • 発売日: 2002/11/21
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
 

 

Franck Avitabile『Bemsha Swing 』

1. Rêverie

2. Fine Tune

3. Carrousel

4. Body and Soul

5. 'Round the Steps

6. July in Paris

7. All Blues

8. Bye Bye Blackbird

9. Alea

10. Bemsha Swing

11. Prelude to a Kiss

12. Secret Song

13. Facin' Up(ピアノソロ、日本盤のみのボーナストラック)

14. Rêverie(ピアノソロ、日本盤のみのボーナストラック)

Franck Avitabileのサイトはこちら。

avitabile.free.fr

 

他にもFranck Avitabileのディスクレビューを書いています。

どの作品も素晴らしいので、ぜひ読んでみてください。

mureader.hateblo.jp

mureader.hateblo.jp

mureader.hateblo.jp

mureader.hateblo.jp

mureader.hateblo.jp

mureader.hateblo.jp 

mureader.hateblo.jp 

mureader.hateblo.jp