クリエイティブってなんだろう。広告ブロックに始まり、経営者へ。
クリエイティブってそもそもなんだろう。
生み出したくてたまらないもの、それを生み出した時にもらえる対価というのが結果なんじゃないのか。
iOS9において広告ブロックが可能になった。まだ試していないのでどういった感触なのかはわからないけれど、例えばiPhoneのSafariでブラウジングする時に相当快適になるらしい。上記の記事では広告が収益源となりコンテンツが生み出されているのに、その広告収益がなくなれば、誰がコンテンツを作成するんだい?という問題提起がされている。
コンテンツをクリエイティブとするなら、そもそもコンテンツって金があるから作るというより、作りたくてたまらない人が作って、それに対する報酬としてのあり方が健全なんじゃないのかい?
僕個人としてはこの広告ブロックという広告業界の仕組みを根幹から揺るがす仕組みにワクワクしている、というのが正直なところです。
本当の意味でのユーザーファースト、本質的なコンテンツ。それ以外のものは淘汰されていけばいいと思う。無駄な広告技術(DSPとかRTBとか)もなくなったっていいと思う。
こんな書籍が出るほどWEB広告のテクノロジーは複雑化しているんですよ。
それはそれで面白いんですけどね。
ザ・アドテクノロジー データマーケティングの基礎からアトリビューションの概念まで
- 作者: 菅原健一,有園雄一,岡田吉弘,杉原剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/02/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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音楽に置き換えてみれば、バンドマンなんてお金になるかわかんない、なったとしても雀の涙のお金。そんなもんどっかやって、それでも作りたい、「やりたいんだよ!」って気持ちでやってる。いつかもうけたいなと思いながら。でもそのもうけは評価された結果についてくるもので、ユーザーの体験を犠牲にして成り立つものじゃない。
確かにクラシックのオペラなんかだと金をかければかけるほど良くなる、というのがあって、コンテンツや広告もそういう側面があるのかもしれない。でもそのスポンサーをするのは広告業界じゃなくていい。
そもそも「人間は歩く広告」、というのであれば「人類皆ネイティブアド」でいいと思う。
本当のユーザーファースト、本当のコンテンツとは何かを改めて考える節目にいるんじゃないでしょうか。
この広告ブロックが大きなうねりとなるなら、こんな形のイノベーションのジレンマもあるのね、と思います。
これは今まで市場を支配してきた技術、製品が、新興の技術、製品にとって代わられるという話。それはなぜ起こり、それをどう解決するか。まあ完全な解決法はないんですけどね。ざっくり。
イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
- 作者: クレイトン・クリステンセン,玉田俊平太,伊豆原弓
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2001/07
- メディア: 単行本
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広告ではないGoogle アナリティクスも犠牲になっていると言いますが、それすらかまわないんじゃないかと思う僕です。
残念なのは広告ブロックアプリのCrystalが特定の広告のみ表示を許可するという決定をしたということ。
広告ブロックの流れを完全に削ぐもので、これは中途半端な結果しか生まないどころか11万人いるというアプリのユーザーが他にながれてしまい、アプリが持続不可能になるという顛末になる気がします。
これにはGoogleやMicrosoftも含まれ、完全に意味のない広告ブロックアプリになりそうな気配です。
揺り戻しというのはいつの時代も起こるもので、今まで発信者側(オーナー)にしかなかった権限が、ユーザーに帰ってきている。それは良いことだと。
考えるべきは自分だけの地平。そこから抜け出してなまけちゃいけません。
[新版]ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する (Harvard Business Review Press)
- 作者: W・チャン・キム,レネ・モボルニュ,入山章栄,有賀裕子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/09/04
- メディア: 単行本
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こちらの本にはブルーオーシャン、つまり自分だけの海を見つけるための示唆が多く提示されています。10年ぶりの新版となりより実践へのアプローチがされるようになりました。
特に今から経営者になろうという方には「ブルーオーシャン戦略」と「イノベーションのジレンマ」は必読です。アメリカのBOX(オンラインストレージの会社)の社長、アーロン・レヴィも来日の際にこの2冊は本当に素晴らしいと言っていました。
他の、例えばビジョナリーカンパニーとかあんな何冊にもなってて、長ったらしいのは読まなくていいです。経営学者になるんじゃなくて経営をするんだから。
ただ、経営をしようというのにこの2冊の存在も知らないなんてありえないです。
イノベーションのジレンマは成長とそれに伴うリスク管理の視野、ブルーオーシャン戦略は独自の経営戦略、その基本的な思考、知識を経営者が所持していないことになります。
そんな会社、怖くてやっていけません。
常に時代の潮流を注視し、新しい大きなうねりは受け入れ、そこで、もしくはその先に何が出来るかを考えることが健全なる経営者のあり方ではないでしょうか。
上場ゴールなんてもう過去の遺産だよ。