HIATUS KAIYOTE(ハイエイタス・カイヨーテ)at Blue Note東京
興奮さめやらぬ中、これを書いています。
フューチャー・ソウル・バンドHIATUS KAIYOTE(ハイエイタス・カイヨーテ)の初来日、初ライブ。1stセットにお邪魔しました。
音源で聴くエレクトリック、変拍子、それらをつなぎあわせた楽曲がバンドとしてどう演奏されるのかが今日の楽しみでした。
着いたらいきなり冨田ラボさんがいてちょっとびっくり。やっぱり聴きにくるんだな。
さあ、どんな音を出してくれるんだろうとワクワクしながらの1曲目、いきなりChoose Your Weaponのど頭シンセ。それでもうぶちアガりです。そのままやるのか、このバンドは、と。エレクトリックを巧みに操り、変拍子を変拍子ともしないバンドの一体感。まるで呼吸をするように音源での複雑な楽曲構成が演奏されていました。
事前の想定では鍵盤のシーケンサー的、アルペジエイター的フレーズは、そういうのを使っているのだろうなと思っていたけれど、開けてびっくり玉手箱。鍵盤のSimon Marvin(サイモン・マーヴィン)はそのままさらっと指で弾いちゃってました。弾けちゃうのねーと唖然。そういう各自の演奏スキルも抜群。
カイヨーテの曲は1曲の中に6曲もあるようなめまぐるしい展開が特徴なんですが、それをなんてことのない顔で演奏していくプレーヤー陣。それだけでも彼らがどれだけ高次元で演奏しているかがわかります。
ボーカルのNai Palm(ネイ・パーム)もまるで舞踊を舞うように歌っていて、そこに何かルーツがあるんじゃないかと感じました。なんだか土着の儀式のようで、それが単に複雑なソウルミュージックになりそうなものを独特のカラーで彩っている。
オーストラリアの大地、ストリートサウンド、ロードムービー、そんなフレーズが浮かび情景が現れる。
初めて音源で聴いた時は、てっきりアメリカの人たちだと思っていて、やっぱりアメリカは最先端の音楽が出てくるところだ、すごい!と思っていて、オーストラリアと聴いてもこの無数のアイデアの源泉がどこからくるのかわからなかった。
それがこのライブを体感してネイ・パームが踊り歌う中で「ああ、これはオーストラリアでしかありえないな」という土着のグルーヴを感じたのです。そんな自然の中から生まれ来るアイデアをエレクトリックや変拍子、はたまたソウルに置き換えているのだろうと。
これはライブを体感してしかわかり得なかったし、本当のHIATUS KAIYOTEの姿を見たと言えると思います。
この音源を再現してしまうバンドの一体感、新しいバンドの概念がそこにありました。
まるでオーストラリアで生まれたひとつの生命体が伸び縮みしながら細胞分裂していく、そんなイメージを持ちました。生命の躍動をみんな体感している、そんなライブ。
残すはBlue Note FESTIVAL in JAPANのみ。これはぜひとも観に行ってほしい。
新世代のバンドに必ず衝撃を受けます。
実際のところ、こんな難しい曲とかラフで持ってきてリハとか、いわゆる曲作りってどうやっているんでしょうね。想像つかない。
音源で生まれた謎は解決したけれど、またあらたな謎が生まれ、これから先どうなっていくのか非常に楽しみです。
またすぐにでも行って体感したい。
素晴らしいライブでした。