モニターセッティングとリファレンス
マスタリングのセミナーに顔を出していて、モニターセッティングについての講義があったので、あらためて自分の環境でのベストなモニターセッティングを考えてみました。
割と機材初心者の頃って、あの「モニタースピーカーがいい」とか「あのケーブルがいい」「あのアクセサリつけると音が良くなるみたいだよ」という感じで、買って交換して環境を良くしようよするけれど、モニターで何が一番重要かと言えば、間違いなくモニターそのもののセッティングです。
しっかりセッティングできていますか?そのモニターの本領、性格はいかんなく発揮できていますか?ミックス、マスタリングする時、いまいちコンプがEQが効いてないないような気がしていませんか?
もしそれがしっかり出来ていない、そうかも、と思うようであれば、モニターのセッティングをきちんとしてあげましょう。
幸い僕の部屋では割と広くスペースをとることが出来るので、スピーカースタンドを置いてその上にモニターを置いています。
まず最初にセッティングでお世話になったのはこちらの本。
すぐできる! 新・最高音質セッティング術 オーディオ&自宅スタジオが理想のサウンドに (CD-EXTRA付き)
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どちらかと言うとオーディオ向けのものではありますが、スピーカーのセッティングにはオーディオもモニターもないので、これは非常に実践的かつ役に立ちます。
ここで語られているのはフラットセッティング。
レーザー墨出し器をつかってモニターを完全に水平にし、壁からの位置も同じ位置になるようミリ単位まで計る。そうすることで、耳で判断してセッティングするよりかなり楽に高水準のモニターセッティングが出来るようになります。
ちなみにレーザー墨出し器っていうのはこれね。こういうの。
ブラックアンドデッカー(BLACK+DECKER) 垂直・水平レーザー BDL310S
- 出版社/メーカー: Black & Decker
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このおかげで、割と楽にいい具合にセッティングができました。
いままでこのフラットセッティングで作業をしていました。
現状のままでも割と良かったんですが、先日受けたマスタリングのセミナーで、0.1dBレベルの修正ともなると、自宅では効果がわからないことが多かったため、よりいいセッティングが出来たらそれが改善するんじゃないかと思って、新たなモニターセッティングに踏み切りました。
といってもやった作業はフラットセッティングを軸にモニタースピーカーを内振りにすることだけ。スピーカー同士の距離は現状で問題ないので、センターの音像がより安定するようにモニターと自分で正三角形を描くように、つまり自分が正三角形の頂点になってそこがリスニングポイントになるわけです。
定規を使って角度を計ってそれもミリ単位で調整するわけですが、しっかりフラットセッティングしておいたおかげですごくラクでした。
結果、以前よりもセンターの音像が安定し、左右や前後の定位も安定しました。
そのおかげでパンも振りやすくなったし、コンプやEQでの変化も以前より掴みやすくなりました。
セッティングがきっちりできていないと、耳も鍛えられない(間違った鍛えられ方をしてしまう)ので、ぜひセッティングはがんばってみてください。
家にスピーカースタンドを置けない場合
この場合はパソコンデスクに一緒に置いていることが想定されます。
っていうかみんな大概そうだよね。僕も昔はそうでした。
その場合出来る改善は、スピーカーの並びを出来るだけフラットにしてあげて(別に墨出し器とか使わずに、机の手前や奥から定規で計って置けば大丈夫。)、よくホームセンターなんかで売ってるコンクリートブロックやレンガの上に乗せてあげる。それで間にインシュレーターをかませばだいぶ変わります。
ちょっと数多いかもね。レンガなら4個で大丈夫です。
見栄えはレンガの方がオシャレかなーと思います。
でもサンレコ2016年1月号のプライベートスタジオ特集で、鈴木まなかさんが可愛らしい女の子の部屋にコンクリートブロックをぶちかましてて、すげーなんかグッときました。
Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2016年 1月号 [雑誌]
- 作者: サウンド&レコーディング・マガジン編集部
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スピーカスタンドに置けるけど、後ろの壁と近い場合
これもよくあると思います。壁に近くなると特に低音が増強されるんですよね。
この場合はよくあるスタジオと同様に壁に吸音材を貼ったり、 調音パネルを置いたりして調整するのがいいと思います。
ぼくはこれを使っています。ちょっと高いけど。
他にも静科さんが作っているSHIZUKA PANELなんかもいいと思います。
リファレンス音源について
リファレンス音源はぶっちゃけなんでもいい、というか自分が好きなものを選べばいいと思うんですが、その中でも楽器の定位がわかり易いものや低域のレンジがわかり易いもの、歌とオケのバランスがわかり易いものなんかがいいと思います。
デジタルとアコースティックがうまく混ざっている音源なんかもあるといいと思います。
リファレンス音源の例としてはこのあたりでしょうか。
River: The Joni Letters (Bonus Track Version)
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長くなりましたが、モニターセッティングをやってあげることで、得られるものは数多くあって、音楽制作でミックスとかもやりやすくなるし、音楽を聴くのも定位がはっきりすると沢山の発見があって、楽しくなります。
モニターセッティングをして、より豊かな音楽ライフを!
ではまた。