TWEEDEES『The Sound Sounds』を聴く
久しぶりにポップなCDを。TWEEDEESの『The Sound Sounds』。
高校生の頃Cymbalsに出会った時のワクワク感、ドキドキ感。
それをまた感じる(いやそれ以上?)ことができるなんて思わなかった。
歌手、女優でもある清浦夏実とCymbalsのベース沖井礼二からなるバンド、TWEEDEES。映画「心が叫びたがってるんだ。」で知った方も多いかもしれません。
いわゆる渋谷系、というんでしょうか、僕自身の話をすると渋谷系とかそれこそジャズやポップスも考えず自分がいいなと思う音楽ばかりを追いかけていてそういったジャンルというか枠組みがあることを全く知らなかった。
学生の頃に始めたバンドでデビューして、そのバンドもポップスではあったけどそういうところは全く意識していなくて、周囲からシティーポップ、渋谷系と言われることが多く、そういうものがあるんだなーと意識し始めたのはその頃から。
渋谷系が音楽としてどういったものを指すのか、いまだに確かなことはわからないけれど、共通して言えるのは聴いているとその日がいい1日になる、という感じがします。
すごくポジティブな気持ちになれるというか。
このTWEEDEESの作品もそう。
1曲目「あなたにはがっかり」からハイスピードの4ビートソングから始まって、もう引き込まれてしまう。スイートかつ意志の強さを感じさせる清浦さんのボーカル、アグレッシブなグルーヴを生み出す沖井さんのベース。
ドラムは誰だろうとおもったらSOIL&"PIMP" SESSIONSのみどりん。
6曲目の「Boop Boop Bee Doop!」にはさりげなくROUND TABLEの北川勝利さんが参加している。さりげなさすぎて最初わからなかった。笑
個人的に大好きなのは9曲目の「ブリキの思い出」。
なんというかしんみりと懐かしく、あったかくて切ない。
3分ちょっとの短い曲だけど、可愛らしいアレンジで、愛おしい気持ちになる。
この作品にはJimi Hendrixの「Crosstown Traffic」やいわゆるスタンダードの「Over The Rainbow」のカバーも収録されて、そのアレンジも含め、非常におもしろい。
昨年渋谷O-WESTで行われたROUND TABLEとTWEEDEESのツーマンライブでは清浦さんの「Cymbalsのこと忘れさせてあげるから!」という言葉にとてもグっときました。
当時Cymbalsが大好きだった人(ぼくもそう)も、そこからさらに先の世界を魅せてくれる、そう思いました。
TWEEDEESの『The Sound Sounds』、何か新しいことが自分にも訪れる、始まるんじゃないかって、そう思わせてくれる素敵な1枚です。
なお配信限定シングルの『Winter's Day』もオススメ。