映画『Cu-Bop(キューバップ)』を観る
大ヒットを記録した音楽ドキュメンタリー映画『Cu-Bop』のDVD発売を記念してアメリカ上映バージョンが公開ということで観てきました。
場所は渋谷アップリンク。
2015年に同じアップリンクで上映されていて半年に渡るロングランだったものの観られずじまいで(半年もやってたのに…)、本日ようやくです。
公開後、音楽ファンの間ではムーブメントのようになっていたので、観た方もご存知の方も多いと思います。
今日のアフタートークでその話が出て、あらためて、「もう16年も前なのか…」とちょっと感慨深いものもありました。時の速さたるや。
と言っても、他のミュージシャンが脇役かというとそんなことはなく、インタビューも含めとても丁寧に、丹念にされていて、その生き方や姿を感じとることができます。
僕自身キューバ出身のジャズミュージシャンで言うとピアニストのゴンサロ・ルバルカバなど、よく目にするミュージシャンしか知らず、実際のところキューバでジャズがどのような環境で、どのように育まれているのかというのはなかなか知る機会がありませんでした。
情報量としてはやはりアメリカやヨーロッパ、そして日本が圧倒的です。
キューバでいったいどのようにキューバの音楽的土壌とジャズが混ざりあっているのか、今回記録されたのがたとえ一端であっても、全体を感じられるような、ありのままの景色を見ることができました。家のガレージで行われるセッション、洗濯をしながら腰を踊らす家族。
通りに音が溢れだす、日本ではそう見ることのない光景。
テクニック的に言えば、やはりリズムがものすごい。そしてタッチの強靭さ。ドラムやパーカッションはもちろん、ロランド・ルナのピアノソロはスウィングでありながらも独特の細かいビートを感じとれる、まさにキューバ人でしかなし得ないプレイの連続。
演奏が終わるたび思わず拍手をしてしまいそうになる、見事なライブ感が映画の中に詰まっています。
キューバ・ジャズと一口に言っても、アクセル・トマスのようにニューヨークで活動しているのとセサル・ロペスのようにキューバで活動しているのでは音楽的な比重が異なっていて、その対比も非常に興味深いものでした。
ニューヨークは音楽をやっている人間には憧れの地。でもそこへ行くには祖国を捨てなければならない。その選択がどれだけシビアで、困難なことか。
キューバの人が常に背負う重い、重い選択。
その歴史的な転換期を切り取っているという意味でも、音楽ドキュメンタリーにとどまらない作品です。
そちらで日本上映版とアメリカ上映版との違いについて聞くことができました。
変更点は
・ロランド・ルナのMoon Riverピアノソロがフルサイズになった
・セサル・ロペスバンドとアクセル・トマスのセッションシーンが追加された
・ルケス・カーティスのインタビューがカットされた
というところが時間尺として大きな部分ということでした。
他にも日本では気にならない部分(いわゆる国交、政治的にセンシティブな部分)や、日本人には必要だけれどもアメリカ人にとっては特に説明などが必要のない部分など細かいところで変更がされているそうです。
そしてDVD、CD、レコード全て異なったマスタリングがされているという話も出ました。このご時世、そこまでこだわるのは(なにより予算的に)本当に難しくて、発売元のディスクユニオンの姿勢に心打たれます。
アフタートークでは他にもジャケットの違いについてなど盛りだくさんの内容でした。
今日は来場者全員にジャレ・オーガニックのザクロジュースがプレゼント。
なんだろう?と思ったらオルケスタ・デル・ソルのやまもときょうこさんから上映を記念して全員にプレゼントしたいとのことで、なんとも大盤振る舞い!
濃厚で自然の風味豊かなザクロジュース。おいしかったです。
それでは、この映画がますます広がることを願って。
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