MUREADER’s blog

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意外と知らない音楽の仕事:リハトラ編

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音楽で仕事をすると一口に言っても、様々です。

本当にいろんな仕事があるんだなと感じることがあります。

今回は「リハトラ」について、僕の経験上のことですが、書きたいと思います。

 

リハトラってなに?

おそらく出会わない人は一生出会わない仕事だろうと思います。

ただ、ライブやレコーディングなどのサポートミュージシャンだと特に若いうちに経験するかもしれません。これもそういった人向けに書いています。

 

【トランペット用語辞典】第17回 リハトラ | 知っててよかった!サクブラ用語辞典 [トランペット編] | サックス&ブラス・マガジン

 

J-WAVE NEWS:「リハトラ」「バミる」略語が存在する本当の意味

 

リハトラというのはこちらに書かれているように「リハーサル」の「エキストラ」という意味です。

ただし仕事の場合、友達や知り合いのバンドに代打で入るというのとは違ってきます。

当たり前ですが。

 

どうしてリハトラが必要?

リハトラが発生する要因としてはベテランミュージシャンあるいは売れっ子ミュージシャンで、その人が仕事のスケジュール上どうしてもリハに参加できない、けれどクライアント(アーティストなど)としてはどうしてもその日にリハをしたいという時に発生します。自身の経験では大抵ライブのリハーサルです。

 

同じ事務所の若手に経験をつませる、ということもあるのかな。ちょっとそういった話は聞いたことはないですが。

予算がないからリハはトラで、というのはまずないです。

 

リハトラの事前準備

事前に音源や楽譜など音資料が送られてきます。

キーボードやシンセの場合だとこの曲はこの音色でといった指定がある場合もありますし、方向性だけ指示が出て「リハの時に相談して決めて」という場合もあります。

このあたりは相当に幅があって、楽譜で指定されていて音源通りにという場合もあればヘッドアレンジだけで音源とずいぶん違っていたり、ということもあります。

ソロがアドリブなのか、フレーズ指定なのか、とか。

 

なにぶん正規のミュージシャンが多忙な場合が多いので、連絡漏れや遅れが生じることが多いです。事務所に所属していないミュージシャンだとなおさら。

ベテランやビッグネームの場合、気後れしてしまったりもしますが、資料だけではアレンジの方向性や、楽器編成もわからない場合があるのでちゃんと聞くことは聞くようにします。漏れや疑問があれば事前にちゃんと解決しておきます。

 

が、あまり質問攻めにするのもどうかというところがあるので、情報や疑問を整理して、その辺はうまく塩梅を見極めてください。

これに限らず、塩梅を見極める、状況を読むというのはすごく大切です。

 

リハトラの当日

初めて一緒に演奏する人が多い、つまりリハーサルの当日に「初めまして」というケースが多いです。

編成しか聞かされていない場合、当日ついたら周りのミュージシャンがビッグネームばっかりだったということもあります。正直、その時は震えます。

そして当たり前ですが、アーティストのマネージャーやプロデューサー、アレンジャー、FOHやPA、照明など演奏メンバー以外にも関わるひとがたくさん来ます。

 

なにより大事なのはきちんと挨拶をすること。たとえ一瞬震え上がっても、しっかりしましょう。怯えずに、かつ奢らずに、堂々と自然にするということ。

ミュージシャンのなかにはリハトラが来るというのを知らない人もいたりするので、さらっと「〇〇さんのトラの△△です。」と説明しておきましょう。

 

そして音楽的な決定権を持っている人をちゃんと認識しておくこと。

アレンジャーさんやプロデューサー(この2人はミュージシャンも兼ねている場合がある)、アーティスト本人など。

 

 

リハトラの現場、求められるもの

どのくらい音楽の仕事をしてきたか、現場を踏んできたか、というのは様々だと思いますが、リハトラといえどやはりうまくないとだめです。

事前準備をしっかりしておくこともそうですが、現場での対応力も必要です。

周囲のメンバーが自分のことを知らない分、そして正規のミュージシャンを想定する分、そういった対応力で難しい部分があります。

リハトラには本番に出る、という責任はありませんが、リハーサルの足かせになってはなりません。なので正規のミュージシャンと同じように演奏できるというのが理想ですが、、、といっても特有のクセなどもあったりするので、滞りなくきちんと演奏できれば問題はないでしょう。

 

 

リハトラでやってはいけないこと

まず、あなたがどれだけうまくても、正規ミュージシャンの仕事をとってはダメです。笑

「本番でたい!」とか思ってもこらえましょう。リハトラの一番切ない部分でもありますが。きちんと準備して、本番と同じ姿勢でやってきても出られない、というのは若干凹むところでもありますが、そう思うならリハトラはやらない!と決めて断るようにしましょう。

 

あと、人間関係が気さくで居心地がいい時も礼儀はしっかりとわきまえましょう。

正規ミュージシャンを含めた評価を背負っている、という意識をちゃんと持っておきます。

自分のせいで正規ミュージシャンの株が下がる、ということはあってはなりません。

 

引き継ぎが大事

これはリハトラ特有のことだと思います。

リハ中はちゃんとメモをとります。他の現場でも当たり前にすることですが、テンポの変更、アレンジや音色の変更、その他にも正規ミュージシャンに「これ伝えとかないとまずいな」ということをちゃんと控えておきます。普段以上に色々メモする場合もあります。

というのも現場での演奏と同じくらいに大切なのが、正規ミュージシャンへの引き継ぎだからです。

変更されたこと、変更はされていなくてもリハで確認できたこと、ステージング上どういったタイミングで演奏を始めたり、また終わらせたりするのか、正規ミュージシャンがリハに入った時に再度確認する必要がないようにしっかりと引き継ぎます。

それを考慮してメモをとっておきます。

リハトラはリハが終わっても終わりじゃないので、気を抜かないように。

 

 

本番を見に行ける場合

ライブの本番に行ってもいい時は、リハに参加できている分いろんなことがわかります。自分が参加したリハより後に変更になったこと、本番での環境やリハとの差異など、あらゆることが一層現実的に感じられます。

ライブを楽しみつつも、よりいい経験になるよう観察すると良いと思います。

「音響どうだった?」「あそこどう思った?」とかアドバイスや意見を求められることもあるので。

 

 

打ち上げにまで行ける場合

もうこれは個々人に委ねられます。笑

あまりはっちゃけすぎずに、いい感じに楽しみましょう。

他のミュージシャンやアーティストとつながりを深くできるいい機会です。

参加権が与えられたのなら、絶対行った方がいいです。

上座とか席の位置に無頓着だったりする人は気をつけた方がいいかも。笑

あとはタバコ。だいぶ減ったとはいえミュージシャンはタバコを吸う人が割合多いと思いますが、アーティストが吸っていない場合は控えた方がよいです。

 

 

終わったー!と思っても

で、ひとしきり仕事が終わってほっとするのもいいですが、ギャラはしっかりもらっておきましょうね。

いくらで、どこに請求をたてればいいのかなど、依頼がきた段階でちゃんと確認しておきましょう。

リハトラも立派な仕事なので。

 

本番には出られないものの、いろんなつながりを持てるいい機会であるリハトラ。

楽しんでできるといいですね。

 

 

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