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チック・コリア&小曽根真『CHICK&MAKOTO-DUETS-』を聴く。

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チック・コリア小曽根真のデュオ・ツアー開催を記念としてリリースされたコンピレーション・アルバム『CHICK&MAKOTO-DUETS-』。

発売は2016年4月20日。

 

収録内容はコンピレーション・アルバムとあるように新録ではなく過去の録音で構成されたものとなっています。

小曽根真の2002年作『Treasure』のレコーディングの際に録音されていたものの未発表となっていた4つのインプロヴィゼーション曲を軸に、『Treasure』から再収録の「La Fiesta」、2011年にリリースされた東日本大震災のチャリティー作品『Live&Let Live -Love For Japan』の収録作がまとめられています。こちらの曲はヴィブラホン奏者、ゲイリー・バートンが参加した「Blue Bossa」、同じくゲイリー・バートンとチック夫人のゲイル・モラン・コリアがヴォーカルで参加した「Summertime」の2曲。

ボーナス・トラックには小曽根真がNO NAME HORSESで演奏したチック・コリアの「Crystal Silence」を収録。全8曲の構成。

小曽根真オフィシャルサイトのNEWSでは本編7曲目に「Pandora」との記載がありますが、こちらは収録されていないので注意。どういった経緯かは不明ですが、この曲は『Treasure』に入っているのでそちらで聴くことが可能です。ちなみに曲順も異なります。

 

インプロビゼーション曲は1、3曲目が小曽根真で始まり、2、4曲目がチック・コリアで始まっています。小曽根真自身が以前からチック・コリアの影響を大きく受けていたということもあり、音色やタッチなども近しい部分が感じられます。

正直、どちらから始まるかという情報を知らない段階ではパッと聴きどちらがどちらか判別するのが難しかったです。二人の音色に関する知識が自分に足りていないという、つまり聴いてる自分がダメなんじゃん、とも思い反省しましたが、音楽として深く溶け込んでいる二人の音色が素晴らしいと思いました。

 

小曽根真の音ははばたき飛び立つようで弱音はショパン的で美しく、チック・コリアのスパイシーさ保ちつつ造形のバランスがとれた音はやはりゆるがないものがあります。どちらかというと、小曽根真の音色は底から高い位置で鳴っていて、チック・コリアは低い位置から鳴っているように感じます。

 

こういったデュオ、しかもジャズ・ジャイアンツと言われるピアニストと日本人のピアニストが共演する場合、日本人的には先に序列をつけて聴いてしまう向きもあるかもしれませんが(チックと上原ひろみのデュオのようにそう感じてしまうケースもありますが...)、それはもったいないです。まさに二つのオーケストラが融合し、さらなる音楽の情景を見せてくれる、そんな作品です。実際には音がぶつかっている部分もあるそうですが、僕には全くわかりませんでした。よくもまあここまで混ざり合って音の流れが見事な織物、テクスチュアになっているなっているなと。

どんな音楽でもそうですが、両方のピアニストが高い次元でなおかつ対等な関係でないとこれは実現できません。

対照的なピアニストが共演するのもワクワクしますが、こういった共通する属性を持ったピアニストが一緒に奏でるというのは音楽にさらなる大きさや広さ、深さをもたらし、奇跡だなと。

 

できることなら新録も何か聴きたい!と思うところではありますが、それはデュオ・ツアーで今の二人を聴くというのがやはり一番なのかと思います。

4/19現在サントリーホールのチケットはまだあるようです。

 

熊本の地震の中リリースとなった本作。『Live&Let Live -Love For Japan』の曲が再収録されていることもあり、改めて考えさせられるというか、想うものがありますね。

 

小曽根真 Makoto Ozone Official Website

Chick & Makoto -Duets-

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リブ・アンド・レット・リブ~ラヴ・フォー・ジャパン

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Two

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