『co-writing/コーライティングの教科書』を読む
1人で完パケが苦手な自分としてはずっと、うまく役割分担してチームで制作できる環境があれば楽しいのにな、という想いがありました。いわゆるコンペとかに二の足を踏むのもそれが理由。
そんな中現れた今日本のなかで大きな動きとなっていきているコーライティング(co-writing)、それについて書かれている書籍です。
コーライティングとはひとつの共同制作なわけで、バンドやユニットで活動しているミュージシャンには馴染みがあったり、当たり前なことだったりもするかもしれない。
あらためてコーライティングという視点で音楽制作を考えると、よりクオリティの高いものが効率よくスピードがあって完成させられるというメリットがあるのだ。
そのあたりを詳しく見ていこうと思う。
コーライティングで目指すもの
1.それぞれのストロングポイント(長所)を活かし、
2.ケミストリー(化学反応)を起こし、
3.効率よくクオリティの高い楽曲を作る!
というところにある。
そこでコーライティングをする上での役割のシェアはというと
トラックメイカー
トップライナー(メロディメイカー)
アレンジャー
作詞家
仮歌
ディレクター
というものが挙げられる。
そのコーライティングをするメリットとしては、他人と共同で作業することで意見交換が活発に行われ、音の持つマジックがおきやすくなる、というよりむしろそのマジックを起こすためにコーライティングをしていく、ということだ。
実際にコーライティングに入っていくために何が必要か。自分の売りは何なのかを一度考えてみる必要がある。3人あつまっても全員がメロディメイカーじゃしょうがないからね。
タイプ別判別法
メロディ重視型:トップライナー、仮歌、歌詞
サウンド重視型:トラックメイカー、楽器のことを良く知る、アレンジ もできるようにする、生楽器のレコーディング/ディレクション、ミックス技術のセンス
ディレクター型:曲をピッチングできる環境作り、楽曲のイメージを明確に持つ、作詞をできるようにする、コミュニケーション能力を磨く
というのがある。それぞれの得意分野を、コーライティングでの役割にシフトさせて、役割を明確化させるのが大事。
こういった1人で完パケという基準から外れてしまっている才能を活かすことができるのがコーライティングの大きなメリットだ。
実際に何人くらいでコーライティングをするのが良いのか
2人:基本的にトップライナーとトラックメイカーの組み合わせ
3人:トップライナーとトラックメイカーとディレクターが組むとうまくいきやすい
4人:トップライナー、トラックメイカー、ディレクターの3人にプラスして仮歌を歌える人など。
5人以上の場合はあまりうまくいかない。ただ人数が増えていくだけ。
コーライティングを進めていくには
対面型:ファーストデモ先行型
対面型:トラック先行型
対面型:コーライティングキャンプ/セッション
ネット型
というのがある。メンバーに合わせて最適な型を選ぶのが良いだろう。
そしてお金の話
くれぐれもお金の話は最初に行う。
基本的には等分という考え方。トラックメイカーのアレンジ料はトラックメイカーがもらってもいい、という場合も考えたりする。外注をする場合はその線引きをしっかりとする。
コーライティングを進めていく上で
コーライティングをしたその出口は、良く開催されているコーライティングセッションなどの主催にレーベルの方がいるので、そこでうまくコミュケーションをとっていく。
そうしてPDCAをまわしていくと、最初はうまくいかなくても徐々に成果に結びついてくるはず。
海外から見ると、このコーライティングという形は完全に日本が立ち後れていて、これからクオリティの高い音楽を生み出していくのに必須と思われる。
単純に「明日食べれるかな...」なんて心配もコーライティングのメンバーと分かち合うことで、不安も払拭し、スピード感のあるエネルギッシュな毎日が送れるはず。
終わりに
これを書いている僕自身もコーライティングがやってみたくてたまらない。
できることはメロディ、歌詞、ピアノアレンジ、ミックス、マスタリング、ディレクションになる。トラックメイカーと仮歌の人がいたらいいチームが組めるんじゃないかなと思っている。ので募集中。
引用もしているけれど、この書籍にはもっと詳しくコーライティングについて書かれているので興味ある方はぜひ手にとってみてほしい。
最先端の作曲法 コーライティングの教科書 役割シェア型の曲作りが、化学反応を起こす!
- 作者: 伊藤涼,山口哲一
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2015/04/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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