サブスクリプションの次、音楽の未来。
Apple Musicなどサブスクリプションが大きなうねりとなって、私の生活に根付こうとしている。
音楽はいよいよ無料に近い感覚となってすぐそこにある。
まず、これから音楽で生きて行こうとする人にとって、どんどん音源は無料で配るものになっていくんだろう。
音楽を作る側からすると、ついこの前まで配信よりはCDの方が利益が出るから出来ればCDで売りたいと思っていたのに、今はサブスクリプションよりは配信の方が利益が出るから…みたいな思考になっている。
かたや制作費はもう底打ちで、機材の値段も今より安く高品質なものが出てくるとは考えにくい。時間的なコストの削減も、もう無理だろう。
間違いなく今までの音楽環境において最もスモールに一定水準の音楽を作れる環境は揃っている。
新人にとって音源から得る利益はもはや無いに等しい。
間に挟む余談として、テクノロジーの進化で、自動作曲は今までもあったが、自動ミックス、自動マスタリングといったテクノロジーが発達していくことも考えられるし、いま開発研究が進められている人工知能DJのように、人が音楽を作る必要すらなくなるかもしれない。
話を戻すと、音楽にお金を払う側の価値観も、例えばCDを買うという行為はドネイションするという感覚が強くなるのだと思う。
そもそもレコードと同じように、あるいはフロッピーディスクと同じように、CDというメディアが少なくなる、もしくはなくなる可能性だってある。
CDがここまで長く生きていられるのは音楽メディアでもあり、データメディアでもあるからではないだろうか。
CDアルバムからジャケットや装飾を取り除き、単なるCDメディアと見たときに、やっぱりデータの方がラクだよなと、部屋に積もったよくわからないCD-Rを整理している時に思った。
以前、一時スマホではなくCDウォークマンで音楽を聴くことに戻ったことがあったけれど、それはやはりその方が音がいいからで、つまるところそれは嗜好品だということだ。
そういう楽しみ方をする人は少数。
無料の感覚というのはやっかいで、LINE MUSICのユーザー層である若い人たちにとって、1000円程度ですら高いという声があがっている。
金とるのか、という声。
これは次代を担うという点で、随分と不安材料になってしまう。
それ以前にYouTubeでそれは当たり前になってしまったけれど。
私個人としては、おそらくApple Musicを選択するだろう。
恐れずに言うなら、まるで天国のようだ。月に1000円程度払うだけで、これだけの音楽を聴くことができる。
この類の幸福感は未知のもので、音楽のヘビーユーザーとしては本当に嬉しい。
レコード、CD、配信、サブスクリプションと移り変わる期間はどんどん短くなり、また安くなっている。
この先同じように、短い期間で新たな音楽の購入形態が現れるのだろうか。
まったく想像のつかない世界が、そう遠くない日に待っている。
ライブがやっぱり一番、それはそうなのだが、それだけではない音楽のあり方を考えていかなければ。
ライブすら、いつかロボットが演奏するようになるだろう。