ノーギャラで…と言われた時は。
予算がなくてノーギャラでやってもらえませんか?と言われた時にどう答えるかを考える。ライブを想定。
・それってボランティアで曲作ってボランティアでリハしてボランティアで演奏しろってことですか?リハのスタジオ代も交通費も全部身銭切れっていうことですよね?つまり僕が生活できなくて死んでも構わないからノーギャラでやってくれってことですよね?
・それって遊び感覚で適当にやっていいってことですか?仕事じゃないってことですよね?
・準備もしませんし当日ステージ上で何やるか考えてステージ上で練習しますけどそれでいいんですよね?
・え?だったらあなたがやったらどうですか?自分で好きなようにできるしいいでしょう?
・え?じゃあ、あなたバイトでもしてお金作って僕にギャラくれればいいんじゃないですか?できますよね?
・そーなんだ。入場料も会場費も飲み物も食べ物も全部タダのイベントなんですね。それは素晴らしいですね。
なかなかパッと思いつかないな。
まあノーギャラでなんてまずないけれど。
でも「宣伝になると思って…」って付くことありますよね。
まず宣伝にならないのでそういうのはガンガン断りましょう。
そういう人たちに時間を費やすなら、その時間で曲作ったり、ちゃんとしてるツテを作ったり売り込んだり、先につながるような時間の使い方をした方がいいです。
【10/3まで】T-Racks Stealth Limiterが5,400円。【60%OFF】
IK Multimediaのマスタリング用リミッタープラグインStealth Limiterが60%オフでセール中(通常価格は15,120円)。
5日間限定と期間が短く、10/3終了予定となっています。
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T-RackS Stealth Limiter | beatcloud
IK Multimedia
圧縮感のない明瞭なリミッター、Stealth Limiter。
Stealth Limiter紹介ページ(日本語で表示されます)
このリミッターのすごいところはそのクリアさにあります。
通常モードのtightで使用すると、リダクションが行われてもいわゆるリミッターの圧縮した感じがほとんどしません。まさにダイナミクスを保ったまま圧縮という一見相反する効果があります。
デフォルトでシーリングが-0.1dBになっていたり、ディザリングがついていたり、ISPL(インター・サンプル・ピーク・リミット)がついていたりと、マスタリングの最終段にかけることを想定して作られています。
インター・サンプル・ピークって何?
インター・サンプル・ピークというのはトゥルー・ピークと言われたりもします。
DAWから書き出したり、アナログ変換などを行い、サンプルが補完される際にピークを超えてしまい歪んでしまうことがあります。
マスタリング用のプラグインには大抵備わっている機能ですが、ISPLも「マスタリング中は歪んでいなかったのに書き出してみたら音が割れてる」という現象を防ぐ機能です。
クリアなリミッター、歪むとひどい。
素晴らしいと言えるリミッターですが、調子にのってインプットを突っ込みすぎると急激に歪みます。かなり嫌な歪み方なので、くれぐれも上げ過ぎには注意しましょう。
よっぽど問題のあるミックスでなければまず大丈夫です。
動作も軽く、マスタリングだけでなく色々な場面で使用できるのではないでしょうか。
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【新海誠】君の名は。感想は。
興行収入100億円突破ということで、ご覧になった方も多いと思います。
レビューや分析をされている方も多数いらっしゃるので、単に感想文、雑文です。
ネタバレありますので、もし未見の方はご注意を。
映像の美しさは。
なによりも言の葉の庭の映像が大好きなんですが、映像の美しさというのはやはり群を抜いています。特に雨や水の表現。といっても映画館だとやはり少しボヤけてしまうのでブルーレイなどで観た方がその美しさはより光ってくるのだと思いますが。特に肝心の光の美しさというのは弱まってしまったかなと感じました。
それでも観て直感的に「美しい」と思える映像。
君の名は。のための歌、音楽は。
RADWINPSが担当していると知るまで、完全にバンプ・オブ・チキンだと思い込んでいましたが(ほんとすみません)、映画のために作られた歌はこうもフィットするものかと驚きました。歌が、音楽がきっかけとなって動き出す物語の心地よさ。
RADWINPSの壮大なMVとして見ても素晴らしいのではないかと。
新海誠設定てんこ盛り(は。)
これは勝手なイメージなんですが、クセのない普通にかっこよい男性とかわいい女性、男女入れ替え、タイムリープ、男女の純愛・悲恋、職人技術要素、そして音楽へのこだわりなど、今までの新海誠設定やいわゆるベタなSF的要素、よくこんな詰め込んだなというくらいの新海誠ワールド、という印象でした。
突飛だったり、ご都合超展開すぎたり、話の流れとしてギクシャクした印象は否めないものの、持っていくところはちゃんと持っていってくれる、というのは2時間の長編かつ大規模上映という点では非常に重要だと考えます。
あまり気持ち悪くなかった。(もうやめます...)
新海誠作品というと、「完全なる純愛、そして悲恋」という印象を持っていて、それは今回もつらぬかれているのですが、これまでの作品はちょっとやりすぎというか、「さすがにそれはちょっと気持ち悪いんでないかい」というところがありました。割と。
今回の作品も、ある程度歳をとってしまっていると、若干ゾワゾワするシーンはあるものの、幾分抑えられていて「純な子達だなー」程度に収まっていた印象です。
バランスの良さ、そして意外とニッチ?
パッと見の映像の美しさ、話のわかりやすさ、アクやクセの少なさ、メリハリのある設定と展開、歌の効果と、全体的に見やすくまとまっていて、行間を読む必要がない作品でした。
これって実はすごい大事で貴重なことだなと気づかされたんですが、アニメというとすぐオタクと言われてしまったり、扱いをうけてしまう傾向があり、そうでないメジャー映画だとジブリのように常に考えさせられる(楽しむ要素にどうしても行間を読むという行為が含まれる、つまり頭を使う)ということがあったり、細田守作品だと人間同士の物語ではなかったりします(サマー・ウォーズとかは別として)。
他にはディズニーやピクサーなどもありますが、デフォルメ感は常にあります(デフォルメ感のないアニメなんてあんのか、というのは置いといて)。
そして原作やテレビ版がない、オリジナルアニメ映画だということ。原作を知っているか知らないかで二の足を踏む必要がない。あれこれ考えて構える必要がない。
単純に人間の男女が純な恋愛をするオリジナルアニメ、しかも映像や音楽が第一印象で間違い無くハイクオリティだと誰が見ても聴いてもわかる、物語も非常にわかりやすく、適度に笑いもある(このあたり、自分はジブリ的なクッションを感じて、うまいなと)、まさに多くの人にわかってもらえるメジャー作品だと思いました。
映画が終わって周囲を見渡すと涙を流したり、人によっては泣きじゃくっている人が多かったのもそれを示しているんじゃないかと。
とても失礼な言い方をすると、「普通」なんです。でも、それは多くの人に望まれていた「普通」なんじゃないかと。そしてその「普通」が最近あまりなかった。
作品性や個性、オマージュや底の厚さなど重厚なものが好きな人にはなかなか受け入れ難いかもしれません。そして恋や人生の甘いも酸いも経験してしまっている人には「なにこの茶番...」と思われるかもしれません。
ただ、個人的にはそういう頃を懐かしく感じ、トータルで観ていて心地よく清々しい作品でした。
というわけで
映画は相互作用だと思っていて、「君の名は。」のおかげで、例えば重厚な作品や対極に位置するような作品もまた楽しめるだろうし、よりじっくり観られる、そういう意味でも観てよかったですね。
いい映画でした。
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意外と知らない音楽の仕事:リハトラ編
音楽で仕事をすると一口に言っても、様々です。
本当にいろんな仕事があるんだなと感じることがあります。
今回は「リハトラ」について、僕の経験上のことですが、書きたいと思います。
リハトラってなに?
おそらく出会わない人は一生出会わない仕事だろうと思います。
ただ、ライブやレコーディングなどのサポートミュージシャンだと特に若いうちに経験するかもしれません。これもそういった人向けに書いています。
【トランペット用語辞典】第17回 リハトラ | 知っててよかった!サクブラ用語辞典 [トランペット編] | サックス&ブラス・マガジン
J-WAVE NEWS:「リハトラ」「バミる」略語が存在する本当の意味
リハトラというのはこちらに書かれているように「リハーサル」の「エキストラ」という意味です。
ただし仕事の場合、友達や知り合いのバンドに代打で入るというのとは違ってきます。
当たり前ですが。
どうしてリハトラが必要?
リハトラが発生する要因としてはベテランミュージシャンあるいは売れっ子ミュージシャンで、その人が仕事のスケジュール上どうしてもリハに参加できない、けれどクライアント(アーティストなど)としてはどうしてもその日にリハをしたいという時に発生します。自身の経験では大抵ライブのリハーサルです。
同じ事務所の若手に経験をつませる、ということもあるのかな。ちょっとそういった話は聞いたことはないですが。
予算がないからリハはトラで、というのはまずないです。
リハトラの事前準備
事前に音源や楽譜など音資料が送られてきます。
キーボードやシンセの場合だとこの曲はこの音色でといった指定がある場合もありますし、方向性だけ指示が出て「リハの時に相談して決めて」という場合もあります。
このあたりは相当に幅があって、楽譜で指定されていて音源通りにという場合もあればヘッドアレンジだけで音源とずいぶん違っていたり、ということもあります。
ソロがアドリブなのか、フレーズ指定なのか、とか。
なにぶん正規のミュージシャンが多忙な場合が多いので、連絡漏れや遅れが生じることが多いです。事務所に所属していないミュージシャンだとなおさら。
ベテランやビッグネームの場合、気後れしてしまったりもしますが、資料だけではアレンジの方向性や、楽器編成もわからない場合があるのでちゃんと聞くことは聞くようにします。漏れや疑問があれば事前にちゃんと解決しておきます。
が、あまり質問攻めにするのもどうかというところがあるので、情報や疑問を整理して、その辺はうまく塩梅を見極めてください。
これに限らず、塩梅を見極める、状況を読むというのはすごく大切です。
リハトラの当日
初めて一緒に演奏する人が多い、つまりリハーサルの当日に「初めまして」というケースが多いです。
編成しか聞かされていない場合、当日ついたら周りのミュージシャンがビッグネームばっかりだったということもあります。正直、その時は震えます。
そして当たり前ですが、アーティストのマネージャーやプロデューサー、アレンジャー、FOHやPA、照明など演奏メンバー以外にも関わるひとがたくさん来ます。
なにより大事なのはきちんと挨拶をすること。たとえ一瞬震え上がっても、しっかりしましょう。怯えずに、かつ奢らずに、堂々と自然にするということ。
ミュージシャンのなかにはリハトラが来るというのを知らない人もいたりするので、さらっと「〇〇さんのトラの△△です。」と説明しておきましょう。
そして音楽的な決定権を持っている人をちゃんと認識しておくこと。
アレンジャーさんやプロデューサー(この2人はミュージシャンも兼ねている場合がある)、アーティスト本人など。
リハトラの現場、求められるもの
どのくらい音楽の仕事をしてきたか、現場を踏んできたか、というのは様々だと思いますが、リハトラといえどやはりうまくないとだめです。
事前準備をしっかりしておくこともそうですが、現場での対応力も必要です。
周囲のメンバーが自分のことを知らない分、そして正規のミュージシャンを想定する分、そういった対応力で難しい部分があります。
リハトラには本番に出る、という責任はありませんが、リハーサルの足かせになってはなりません。なので正規のミュージシャンと同じように演奏できるというのが理想ですが、、、といっても特有のクセなどもあったりするので、滞りなくきちんと演奏できれば問題はないでしょう。
リハトラでやってはいけないこと
まず、あなたがどれだけうまくても、正規ミュージシャンの仕事をとってはダメです。笑
「本番でたい!」とか思ってもこらえましょう。リハトラの一番切ない部分でもありますが。きちんと準備して、本番と同じ姿勢でやってきても出られない、というのは若干凹むところでもありますが、そう思うならリハトラはやらない!と決めて断るようにしましょう。
あと、人間関係が気さくで居心地がいい時も礼儀はしっかりとわきまえましょう。
正規ミュージシャンを含めた評価を背負っている、という意識をちゃんと持っておきます。
自分のせいで正規ミュージシャンの株が下がる、ということはあってはなりません。
引き継ぎが大事
これはリハトラ特有のことだと思います。
リハ中はちゃんとメモをとります。他の現場でも当たり前にすることですが、テンポの変更、アレンジや音色の変更、その他にも正規ミュージシャンに「これ伝えとかないとまずいな」ということをちゃんと控えておきます。普段以上に色々メモする場合もあります。
というのも現場での演奏と同じくらいに大切なのが、正規ミュージシャンへの引き継ぎだからです。
変更されたこと、変更はされていなくてもリハで確認できたこと、ステージング上どういったタイミングで演奏を始めたり、また終わらせたりするのか、正規ミュージシャンがリハに入った時に再度確認する必要がないようにしっかりと引き継ぎます。
それを考慮してメモをとっておきます。
リハトラはリハが終わっても終わりじゃないので、気を抜かないように。
本番を見に行ける場合
ライブの本番に行ってもいい時は、リハに参加できている分いろんなことがわかります。自分が参加したリハより後に変更になったこと、本番での環境やリハとの差異など、あらゆることが一層現実的に感じられます。
ライブを楽しみつつも、よりいい経験になるよう観察すると良いと思います。
「音響どうだった?」「あそこどう思った?」とかアドバイスや意見を求められることもあるので。
打ち上げにまで行ける場合
もうこれは個々人に委ねられます。笑
あまりはっちゃけすぎずに、いい感じに楽しみましょう。
他のミュージシャンやアーティストとつながりを深くできるいい機会です。
参加権が与えられたのなら、絶対行った方がいいです。
上座とか席の位置に無頓着だったりする人は気をつけた方がいいかも。笑
あとはタバコ。だいぶ減ったとはいえミュージシャンはタバコを吸う人が割合多いと思いますが、アーティストが吸っていない場合は控えた方がよいです。
終わったー!と思っても
で、ひとしきり仕事が終わってほっとするのもいいですが、ギャラはしっかりもらっておきましょうね。
いくらで、どこに請求をたてればいいのかなど、依頼がきた段階でちゃんと確認しておきましょう。
リハトラも立派な仕事なので。
本番には出られないものの、いろんなつながりを持てるいい機会であるリハトラ。
楽しんでできるといいですね。
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段違いのクオリティ。iZotope「Neutrino」
無償クオリティを遥かに凌駕したプラグイン「Neutrino」
Ozone7やRX5など、ハイクオリティなプラグインを開発しているiZotopeがリリースしたNeutrino。
レビューもなにも、無償・フリープラグインなのでダウンロードして使ってみれば誰でもわかることなんですが、震えました。
Neutrinoはすべてのトラックにインサートして使う、いわゆる全挿し系のプラグイン。
4つのモードから選び、2つのノブで調整するというシンプルな構成ですが、その中身にはiZotopeの技術が惜しみなく注がれています。
レスポンスモード、と言われる通りそれぞれのモードがトラックに合わせて反応し、動作します。大まかに4種類にわかれているだけで、実際音を聴いてみるとかなり複雑な動きをしていることがわかります。
「効果がいまいちわからないなー」という人は例えばヴォーカルをVoiceからBassに変えてみたりすると変化がわかりやすいかもしれません。
機能説明は本家などのサイトに掲載されていますが、誤解を恐れずに言えば「自動ミックスプラグイン」。効果は派手ではなくどちらかというと控えめですが、それが逆にすごいところで、仕上がったミックスがNeutrinoによってさらに洗練されます。
ミックスの細かい粗みたいなものを自動的に整えてくれる、そんなプラグイン。
ただ、低負荷ということですがトラックが増えるとやはりそれなりの負荷になってきます。マイクプリ系やコンソール系など最近全挿し推奨のプラグインが多くなりましたが、悩ましいところです。
こういった全挿し系のうっすら効果のプラグインはヘッドフォンならまだしも、スピーカーならモニター環境もしっかりしてあげないとわかりづらかったりします。
ともかく、無償というのが信じられないとっても素敵なプラグイン。
有償でも買ってしまうレベル。
RTASにまで対応していることにちょっとびっくりしました。
ちなみに日本のTACSYSTEMからでもiZotope本家からでもダウンロードできます。
TACSYSTEMもすぐにシリアルメールが届きます。
日本代理店TACSYSTEM
ICON記事
Neutrinoレビュー動画
動画後半で他の全挿し系プラグインも使ってミックスしているのがおもしろいです。
【SSL】Softube Console 1 レビュー【NEVE】
※この記事は2016/09/08に書いたもので、Console1第一世代のものです。2019年現在は、第二世代のMk2が最新機種です。その辺りを踏まえつつ、編集を加えています。大きく変わったことはないので、参考になればと思います。
DAWでコンソールを。「Softube Console1」
Console1を使い始めて少し経つので、ピックアップしてレビューを書いてみたいと思います。
できるだけフラットな視点で書きたいので良くないところも書いています。
使用環境はStudio One3.3、MacでCPUは2GHzのi7でクアッドコア、メモリは16GB、ストレージはSSDです。割と上々なスペックだと思います。
ここをご覧になっている方はConsole1がある程度どういったものかというのはご存知だと思うので、導入は簡潔に。
つまりこれがどういったものかというと、プラグインとコントローラーのセットです。
基本のセットはSSL4000Eのチャンネル・ストリップ・プラグインとConsole1ハードウェア。
オプションでSSL XL9000や、British Class A(NEVEモデリング)を追加できます。
実際にハードウェアを使っている感覚。
写真のハードウェア・コントローラーを使って操作するわけですが、確かにツマミをグリグリと、トラックの移動もボタンで一発、ミュートやソロもこのコントローラーで行えるので、見た目は随分違いますが、実際に卓を触っているような感覚です。
マウスやキーボードを使うことなくミックスを進められるので、サクサクと作業が進んでいきます。
ちなみにチャンネル・ストリップの切り替えもコントローラーで行えます。
Console1のプラグインならアンドゥもできます。
インサートできるトラック数も制限はありません。20トラック単位で切り替えていく形です。この切り替えには、慣れるのに少し時間がかかるかもしれません。
ディスプレイに出てくる画面はこちら。ディスプレイの9割近くを占めますが、これもコントローラーのボタンでオンオフ可能。操作した時だけ出てくるオートモードもあります。
地味にありがたいのが、トラック名が自動で反映されるところ。トラック数が増えてくるとさすがにトラック選択ボタンを間違えたりするのですが、トラック名が出るので今何のトラックをいじっているのかがわかって助かります。(DAWにより対応していないものもあります。)
※2017/02/20追記:しばらく使っていて、ちょっとしたフラストレーションがあると感じたのですが、それはトラック名とトラックナンバーを頭の中で一致させないといけない、ということでした。DAWでミックスをする場合、トラックナンバーを意識することはないので、そこがちょっとネックかもしれません。
実際、音はどうなの?
音については、心配ありません。さすがはSoftube、SSLもNEVEも公認をとっているだけあって再現度は非常に高いと感じました。
WAVESだと若干デフォルメがかかっているように感じますが、Softubeは質実剛健というか、忠実な印象です。WAVESというよりはUADと言うと伝わりやすいでしょうか。
最近であればSlate DigitalがNEVE 1073のモデリングを出していますが、Slate Digitalは少し経年変化したNEVEの音、という感じで割とソフトな印象があります。
それに対してBritish Class Aは新品のNEVE(と言うと変ですが)のような、音の張り出し感があります。
NEVEの公認と言うと違和感を感じる方もいるかもしれませんが、ルパート・ニーブさんではなく、AMS/NEVEの公認となっています。
ちなみにプリ/インプットは1073、EQは1084、コンプは2254 compressor or limiter、ゲートは2257 gateです。恥ずかしながらNEVEのゲートは初めて知りました。
Console1にはDRIVEとCHARACTERという項目があり、このDRIVEを上げることによって、実機さながらの倍音・歪みが付加されます。0〜10までとなっていて、5がちょうど実機を再現したもの。0だと全く付加されずバイパスとなります。5を超えるとかなり歪みが強くなってくるのと音量レベルも上がってくるため、5近辺を基本に調整するのが良いのではないでしょうか。
DRIVEの下にあるCHARACTERは文字どおりドライブのキャラクターを変化させる項目です。右に回すとプラス方向になり、ハイミッドが強調され音が前に出てきます。
左方向はマイナスとなり、逆にハイミッドレンジが削られソフト、ファット、あるいはこもった音になっていきます。
ちゃんと再現されているんだなーと感じるのは、例えばEQで何もしていない状態でも、実機を通したときに生じるEQのわずかなカーブが画面に表示されているところだったりします。
他にもEQノブを動かして数字上は200Hzをあげていても、実機は少し違う帯域が変化していたりします。それもカーブでちゃんと再現されています。数値とカーブが異なるので戸惑う人もいるかもしれません。
この画像はSoftubeのTUBE-TECH PE 1CをConsole1に立ち上げたものです。
このようにConsole1以外のプラグインもSoftubeのものであればConsole1で使用することができます(全てではありません)。
上で出てきたEQカーブの再現の話ですが、このPE 1Cが一番わかりやすいのではないかと思います。TUBE-TECHのPE 1CはPultec EQのレプリカ(と言ってしまってごめんなさい)ですが、DAW・プラグイン世代だとその特性を知らない方も多いと思います。
LOWを見てみると、BOOST(増やす)とATTEN(減らす)があるのですが、実機を知らないと「なんで増やすのと減らすのが別々にあるの?同じ帯域?意味なくない?」と思うかもしれません。
あるいは「知ってる、ブーストとアッテネートで帯域違うんでしょ。」という人もいるかもしれません。
そう、BOOSTとATTENでは対象になっている帯域が異なります。
では実際どのあたりがBOOSTされてATTENされているのか、というのをConsole1では目で確認することができます。画像はそれぞれノブを振り切った状態のものです。LOWのATTENは少し上の帯域を中心に下がっているのがわかると思います。
今まで耳で確認してきたものを、目で確認できるというのはなかなか新鮮だったりします。昔FocusriteのLiquid MixというConsole1と似た構成のプラグインがありましたが、それを思い出しました。
Console 1の残念な点、だったけど解消されたもの。(2017/02/20編集)
・モノラルのPANに対応。Studio Oneにインテグレートされた。(2017/02/20編集)
Studio Oneへのインテグレートにより、モノラルPANや、フェーダーとのリンクなどが実現されました。例えばConsole1のPANを回すと、DAW上のPANも変化します。これは本当に嬉しい。プラグインの操作も、DAWミキサーの操作も同時に行えるようになりました。
・日本語マニュアルが全て完成(2017/02/20編集)
British Class A及びSSL XL9000の日本語マニュアルはダウンロード可能です。Console1(SSL 4000E含む)自体のマニュアルは製品に同梱されています。
自分のは同梱漏れ、ということがありました。
Console1自体の日本語マニュアルはダウンロード提供していないので、無くさないよう注意です。
今も残念な点。(2019/10/25編集)
・結局Console 1で完結できない。
Console 1でミックスをすると非常にまとまりがあるのですが、昨今の音楽事情を考えるとこれだけで仕上げてしまうのはなかなか難しいです。特にEQはQを最大限狭めても結構広いので(そりゃそうなんですが)、結局他のパラメトリックEQを挿したりというのが普通にあります。
Console 1で下ごしらえ、もしくは改めて録り音を作るようなイメージで、あとは他でじっくりやるという形になってきます。
・結構容量を食う。CPU負荷が高い。(2019/10/25編集)
※現在のPCスペック環境を考えると、重くありません。
スペックが低いマシンを使っている方のみ参考にしてください。
上に書いた通り、マシンのスペックはそこそこいいはずなんですが、ジャスト50トラックにConsole 1をインサートすると容量をかなり使うことがわかりました。
CPUの使用量が60%前後をうろうろしながら、70%を超えることもあります。一応クアッドコアなんですけどね。
レーテンシーは基本的に0.1ms程度ですが、再生ボタンを押すたびにプラグインが適用される前の素の状態の音が鳴り、そのため場合によっては爆音だったりします。
一瞬ですが、常にそうなるので若干フラストレーションが溜まります。
あとは、同じく再生を押すたびにCPUの使用率が100%を超えること。
少ないトラックであれば気にならないかもしれませんが、50トラック程度は割と普通だと思うので結構厳しいですね。
未使用のセクション(Shape/EQ/Compressor)をオフにすることで節約できるので、使わなければこまめにオフ、ミュートトラックからは外す、といったことをした方が良さそうです。
Macであればクアッドコアi7は必須、iMacやMac Book Proのスペックが高いものや、Mac Proということになると思います。
終わりに。Mk2の発表。(2019/10/25編集)
つらつらと思いつくままに書いてきましたが、Console 1はおすすめなのかどうかというと「現時点では人や環境を選ぶし、無条件におすすめはできない」と思っていましたが、Mk2はなんと半額近い値段に。
PCやMacのスペックさえ許せば、導入を検討してもいいのではないでしょうか。
そしてMk2では値段以外にも、UADに対応しました。これはUADのプラグインをConsole1で操作できるというもの。UADユーザーにはトピックだと思います。
こうやってあらゆるプラグインがコントロールできるようになったらなぁ、と夢が広がります。
SSLやNEVE、APIの再現度としてはかなり高めだと感じますし、ツマミをグリグリといじってConsole 1だけでミックスをしてく楽しさは実際格別だったりします。
ただ、最近は優秀なプラグインが急激に増えたので、サウンドクオリティ面の優位性はあまりないかもしれません。
決して安いものではないので、もし悩んでいる人がいて、この記事が参考になれば嬉しいです。自分の環境では試せる製品ではないのでなおさら、です。
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